近年では、家族構成や価値観の変化により、火葬のみで済ませるお葬式をしないという選択をする方も増えています。一方で、お葬式を行わない場合には、法律上の手続きや周囲への配慮など事前に確認しておきたい点も多いです。本記事では、親が亡くなった際に葬式を行わないメリット・デメリットについて詳しく解説します。
お葬式をしないことによるメリット
親が亡くなった際、必ずしもお葬式を行う必要はなく、火葬のみを行う直葬(火葬式)を選択する方も増えています。お葬式には多くの費用がかかるだけでなく、準備や当日の対応による精神的・体力的な負担もともないます。
とくに遺族が高齢の場合や、健康面に不安がある場合には、お葬式を行わないことで負担を大きく抑えられる点がメリットです。
お葬式の費用を大幅に抑えられる
一般的な通夜や告別式を行うお葬式では、式場費や祭壇費用、僧侶へのお布施、会食費、返礼品など、さまざまな費用が発生します。参列者が多くなるほど会場規模も大きくなり、費用が高額になる傾向があります。一方、直葬の場合は火葬を中心としたシンプルな形式のため、一般葬と比べて費用を抑えることが可能です。必要となる費用は、火葬料金や棺、遺体の安置費用、ドライアイス代などが中心となり、経済的な負担を軽減できます。
体力的・精神的な負担を減らせる
お葬式の準備には、葬儀社との打ち合わせや参列者への連絡、当日の対応など多くの作業が必要です。大切な家族を亡くした直後に、これらの準備を進めることは遺族にとって大きな精神的負担になる場合があります。また、高齢の遺族や持病を抱えている方にとっては、長時間の式への参加や来客対応が体力的な負担になる場合もあります。お葬式を行わない選択をすることで、故人との別れの時間を大切にしながら、遺族自身の負担を軽くできる点も大きなメリットです。
お葬式をしないことによるデメリット
お葬式を行わない選択には、費用や負担を抑えられるメリットがある一方で、親族や故人の友人・知人から理解を得られない可能性があります。法律上、お葬式を行う義務はありませんが、故人とのお別れの場としてお葬式を大切に考えている方も多くいます。とくに、故人や親族が宗教的な習慣を大切にしている場合は、事前に相談しておくことが大切です。
お葬式を行わない場合でも、周囲の気持ちに配慮しながら理解を得ることで、後々のトラブルを防ぎやすくなります。
菩提寺や納骨先との問題が発生する可能性がある
先祖代々のお墓があり、菩提寺との付き合いがある場合は、お葬式をしないことについて事前に相談する必要があります。宗派によっては葬儀や供養の儀式を重視しており、お葬式を行わなかったことで菩提寺との関係が悪化するケースもあります。また、お葬式の形式によっては、お墓への納骨を断られる可能性もあります。後になって困らないためにも、お葬式をしないと決める前に、菩提寺や親族へ確認しておくことが重要です。
故人とのお別れの時間が少なく後悔することがある
直葬(火葬式)では、通夜や告別式を行わないため、故人を偲ぶ時間が充分に取れない場合が多いです。火葬までの流れが短く、参列者とともに思い出を語ったり、感謝の気持ちを伝えたりする機会が少なくなることもあります。故人の希望でお葬式を行わない場合でも、残された家族が「もっとゆっくりお別れをしたかった」と後悔する可能性があります。自宅で過ごす時間を設けるなど、遺族が納得できる形で別れの時間を作ることが大切です。
後日に弔問対応が必要になる場合がある
お葬式を行わないことで当日の参列者対応は不要になりますが、後日、故人の友人や知人から弔問の申し出やお悔やみの連絡を受ける場合があります。その場合、遺族が個別に日程を調整して対応する必要があり、負担になることも少なくありません。故人の交友関係が広い場合は、お葬式の場でまとめてお別れをしてもらうほうが、遺族の負担を減らせるケースもあります。
お葬式をしない選択をする際は、費用面だけでなく、周囲への配慮や将来的な対応まで考えて判断することが大切です。
負担の少ないお葬式を行う選択肢もある
お葬式にかかる費用や遺族の負担を抑えたい場合でも、直葬では充分なお別れができないと感じる方もいます。そのような場合は、一般葬より規模を小さくした一日葬や家族葬といった形式を選ぶことで、無理のない形で故人を見送れます。
通夜を省いた一日葬で負担を軽減する
一日葬は、通夜を行わず告別式と火葬を1日で執り行う葬儀形式です。一般葬のように2日間の日程を確保する必要がなく、会場費や僧侶への依頼費用などを抑えられるため、経済的な負担を軽減できます。また、高齢の遺族や遠方から来る参列者がいる場合など、時間や体力面で負担が大きいケースにも適しています。
家族葬で親しい人だけでゆっくり見送る
家族葬は、親族や故人と親しかった人を中心に少人数で行う葬儀形式です。不特定多数の参列者への対応が必要ないため、遺族が落ち着いて故人との最後の時間を過ごせます。形式や規模を柔軟に決められるため、故人らしいお別れをしたい場合にも選ばれています。葬儀形式を選ぶ際は、費用だけでなく、故人の希望や遺族の体力、親族の考えなども考慮することが大切です。負担を抑えながらも、後悔のない見送り方を検討しましょう。